教えて!明日香先生:私の借金を妻が代わりに払ってくれた分は、離婚を理由に返済しないとダメ?

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。   最近は、豊中市だけでなく、近隣の池田市、吹田市、箕面市からも、たくさんのご相談やご依頼をいただいております。   私は、離婚を中心に、様々な男女問題に関する相談を日々受けております。   この、「教えて!明日香先生」のカテゴリーでは、頂いた相談を一般化して、読者の皆様が分かりやすく、そして離婚や男女問題に悩む方向けに、知識として、広く知っていただけるように、Q&A方式にして、お届けします。   ですので、読者の方にそのまま当てはまるとは限りませんが、ご参考として読んでいただけたら幸いです。  
  1. 結婚前に借金帳消しのために妻からお金を出してもらったけど、今更返せって言われても困ります。
  明日香先生、初めまして。   C男と申します。   29歳で、4年ほど前に結婚して、子どもは3歳の息子1人です。   今日、明日香先生にご相談に伺ったのは、妻からの言い分を受け入れる必要があるのかを確認したいからです。   結婚前に、私は消費者金融から約200万円ほどの借金をしており、結婚するときに妻にこのことを伝えました。   もしかしたら、結婚することを断られるかもと思ったのですが、「私の貯金で200万円の借金を返しちゃいましょう!」と言ってくれたので、それに甘えて、200万円の借金を帳消しにして、4年前に結婚しました。   しかし、最近、夫婦仲が冷めてしまい、2カ月前から別居生活となり、先日妻から離婚を切り出されております。   私自身も妻との関係がギクシャクしていることと、なかなかコミュニケーションが取れないので、離婚することを受け入れました。   しかし、離婚の話し合いをする際に、「結婚前に肩代わりしてあげた200万円、返して!」と言われるようになり、都度、この話題を出してきます。   一方で、私の感覚としては、確かに妻に200万円の借金を肩代わりしてもらったのではありますが、どちらかというと、借りたのではなく、結婚するための障壁になるから、妻が自分の意志で払ってくれたというところです。   確かに私の身勝手な解釈もありますが、私は妻に200万円貸してくれと頼んでいませんし、妻からも200万円は貸付だからねとも言われていません。   そこで、明日香先生に質問です。   この場合は、やはり、妻の言い分通りに、200万円を返してほしいとの主張は通るのでしょうか。   今後の離婚の話し合いに、明日香先生に立ち会ってもらえたらと思いますので、ご回答をよろしくお願いいたします。  
  1. C男さん、今日は相談にお越し下さり、ありがとうございます。
  奥様から結婚前に借金の肩代わりをしてもらった件、承知しました。   通常の契約ごととかでしたら、もらった、もらってないを回避するために、あらかじめお互いの意思を確認して、契約書とかにまとめるのですが、これから夫婦になるのに、そんなことするのは野暮ですもんね。   しかも、離婚に至り、返してくれなんていう状況になるなんて、想像できないことは私も理解できます。   それでは回答しますね。   今回の争点は、奥様がC男さんの借金帳消しのために使った200万円について、どのような認識をされていたかによります。   それは、貸し借りに該当する金銭消費貸借なのか、プレゼントに該当する贈与なのかということです。   奥様がC男さんと結婚するという前提で、結婚の障壁になると予測して、200万円の借金帳消し目的で、奥様の貯金を使ったということであれば、その当時に返済期日や利息の取り決めなどの具体的な約束を口約束でもしていないと思いますので、恐らく贈与に該当すると考えられます。   贈与が成立すれば、離婚に至った現時点で、「やっぱり返してほしい」とか「あのお金は貸したものだから、早く返してほしい」と奥様が主張してきても、法的には通用しません。   よって、C男さんとしては、奥様の主張にそのまま応じる義務はないと考えます。   しかし、財産分与の観点ではまた違った点があります。   それは、その200万円は奥様の特有財産であることです。   財産分与に該当する財産は、結婚して以降、夫婦で協力して築いた財産になります。 そして、その財産を通常は折半するものになりますが、この200万円は、奥様が結婚前に築き上げた特有財産を、C男さんの結婚前の債務を消滅させるために差し出して、結婚の障壁を無くしたという事実があります。   ですから、奥様はその観点から主張してきて、離婚の話を進めていった結果、裁判所や調停で、C男さんと奥様との不公平を解消するために、財産分与の割合を折半ではなく、奥様がC男さんの借金帳消しのために差し出した200万円を考慮した財産分与の割合を提示してきたり、奥様の取り分を多くする等の調整が行われるケースが数多くありますので、結果的にはお互いに痛み分けという結果になる可能性があることを踏まえていただけたらと思います。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。