「教えて!明日香先生」:離婚調停中に自宅を差し押さえられた!

コラム
「教えて!明日香先生」:離婚調停中に自宅を差し押さえられた!   こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。   私は、離婚を中心に、様々な男女問題に関する相談を日々受けております。   この、「教えて!明日香先生」のカテゴリーでは、頂いた相談を一般化して、読者の皆様が分かりやすく、そして離婚や男女問題に悩む方向けに、知識として、広く知っていただけるように、Q&A方式にして、お届けします。   ですので、読者の方にそのまま当てはまるとは限りませんが、ご参考として読んでいただけたら幸いです。   離婚調停中に自宅を差し押さえられたのですが、なんとかなりませんでしょうか。   明日香先生、こんにちは。   S史と申します。32歳の営業職として働いています。 結婚2年で現在別居しており、半年ほど前に妻から離婚調停を申し立てられ、調停は不成立となってしまい、非常に対応に苦慮しています。 別居理由は、妻が1年ほど前に、私の知らないところで男を作っており、私が確実に証拠を押さえてから妻に問い詰めたところ、突然出て行ってしまい、別居となりました。 そして、半年ほど前に急に離婚調停を申し立てられたのですが、私が浮気をしたから、離婚へと踏み切ったと主張しており、当然、私は、妻が浮気をして、逆ギレして出ていったのだから、その主張はおかしい、浮気をしている証拠もあると調停委員に伝えたのですが、即座に妻側から不成立とされてしまいました。 そして、先日、新婚生活を機に購入し、現在私が独りで住んでいる自宅について、妻が財産分与のために仮差押え保全処分を行ったことが発覚しました。   そこで明日香先生に質問です。   ・私が独りで住んでいる自宅について、今後はどうしたらいいのでしょうか。一括返済等を求められる可能性があるのでしょうか。   ・次の手で、おそらく離婚訴訟をしてくると思われますので、離婚訴訟の判決までもつれ込んで、結果的に離婚が認められないとなった場合、この仮差押保全処分は違法であるという主張で、私から損害賠償請求はできるのでしょうか?   アドバイスのほど、よろしくお願いいたします。     S史さん、本日はご相談にご来所頂き、ありがとうございます。 奥さんからいわれのない理由で離婚調停を申し立てられ不成立とされたことで、心身ともにお疲れかと思います。 お話を伺う限りでは、S史さんの落ち度は見えてこないので、離婚裁判が始まるときに、しっかりとご自身の主張を行い、その裏付けとなる証拠書類の収集を抜かりなく行い準備することが、これからの大事な行動になると思います。 では、質問にお答えしますね。   一つ目については、住宅ローン契約書の記載内容次第にはなりますが、仮差押え行為が、住宅ローン契約における「期限の利益」の喪失事由に該当するおそれがあります。 よって、理論上は一括返済請求もあり得ますが、今後も毎月の住宅ローン返済を延滞することなく支払い続けていれば、特に問題はないかと考えます。   二つ目については、離婚訴訟で、妻の主張が認められず、離婚請求が棄却されるとなった場合は、この仮差押えは、原則として過失であることが予測ができるため、違法な仮差押えであるとされた判例があります。しかし、これにより、何らかの損害がS史さんに生じたといえるかどうかは証明が困難であるため、損害賠償請求は難しいのではと思われます。 例えば、奥さん側が証拠をでっちあげてまで仮差押をしたことをつかんだのであれば、損害賠償請求が認められる可能性がありますが、単にS史さんが離婚訴訟に勝ったからという理由だけでは、損害賠償請求までは進められないものと思われます。 ご参考ください。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。   ※この記事は、公開日時点の法律をもとに執筆しています。   ※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。   ※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。