こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。
タイトルの件で解説します。
離婚において、夫婦どうしでの話し合いでは解決しない場合は、次に調停というステージに行くことになります。これは、家庭裁判所の調停室で行うことになりますが、調停委員という方がお互いの言い分を聞きながら、話し合いを進めていく手続きです。
裁判と違って誰かが判断するということはなく、あくまで話し合いの手続きになりますので、合意形成のためにはお互いに譲歩することが必要になってきます。
調停では、パートナーとのやり取りが、調停委員を挟んでのやり取りとなるため、調停委員への印象を良くすることが、有利な立場へ持って行きやすいひとつの秘訣です。
このブログでは、どんなことに気を付けておくべきかを解説していきたいと思います。
調停委員とは、離婚調停において、夫婦双方の言い分を聞いて、合意形成を促進し、調停成立を目指す役割を担う人です。
調停では、夫婦それぞれが交代で調停室に入り、男女1名ずつの調停委員がお互いの離婚に関する主張や希望を個別に面談してヒアリングします。
ちなみに、調停委員になれる方は、弁護士、医師、大学教授、地域社会に貢献した実績のある方などの有識者が多く、原則40歳以上70歳未満の方です。
調停委員は、中立かつ公平な立場で双方の言い分をヒアリングし、意見をまとめたり、調整することで、離婚の合意=調停成立をスムーズにする役割を持っています。あくまで中立な立場なので、ご夫婦のどちらかの立場に立って相手方を説得ということはできないことになっています。
離婚調停の現場では、調停委員を介して話し合い離婚成立を目指すことになるため、パートナーだけでなく、調停委員への印象も考えた行動や発言をすべきです。
そこで、やるべきではない行動、発言を下記にまとめますので、ご参考ください。
・遅刻をする
・感情的かつ一方的な主張をする
・論点がぼやけた主張をする
・相手方の言い分に耳を貸さず、戦う姿勢を崩さない
・希望条件とは違うのに、早く離婚したいから、相手の条件を丸呑みするような発言
・パートナーに対するひどい悪口
・暴言、虚言、矛盾した言動、攻撃的な言動
・すでに付き合っている相手が存在すると答える
また、生活面においても、離婚したい気持ちはわかりますが、まだ結婚生活は続いていますので、下記のような行動は絶対に慎んでください。
確実に調停委員に悪印象を与え、相手方に有利な流れになりやすくなります。
・パートナー以外の異性とデートや肉体関係を持つ
・調停を勝手に申し立てられたからと、DV・モラハラ等を行ったり、子どもと一緒に消息
不明になる
・結婚生活で築き上げた財産を勝手に処分する
上記と同様に、逆にやるべき行動、発言があります。
下記にまとめますので、ご参考ください。
・清潔な身なりを心がける
・はきはきと受け答えできるようにする
・主張すべきポイントを整理して明確に伝える
・調停委員に対して主張を伝える練習をする
・調停委員からの質問に対して真摯に回答する
就職や会社等での面談に似たようなことを記載しておりますが、結局は調停委員との良好な関係構築が肝要です。
また、子どもの親権や面会交流が調停のキーポイントとなっている場合、家庭裁判所の調査官による調査が予想されます。どちらが親権者にふさわしいかを判断するため、家庭環境が具体的に観察されることがありますので、下記を意識した生活を送るように意識してください。
・子どもとの時間を増やす
・育児に関する対応(食事の用意、学校や保育園等への対応等)を数多く担当する
・子供に安定した生活を提供できる環境を作る。
・監護補助者との良好な関係作り
離婚調停は、調停委員という役割を持つ方が、夫婦双方の直接の話し合いでは解決できない場合に、改めて双方の言い分や生活態度、言動等を確認したうえで、より最適な結論を出すように調整したり、仲介することになります。
よって、調停委員に良い印象を持たれることが、ご自身に有利な離婚条件を引き出すことにつながります。
そして、調停委員という第三者が関わるため、調停室での言動や態度は当然ながら、普段の生活でも細心の注意を払い、離婚が成立するまでは、結婚生活が続いているということを強く認識しておいてください。
この点を忘れがちで、「もう彼氏(彼女)がいるので、さっさと離婚したいけど、相手の言ってることは全く呑めないから、先生、うまく頼みます!」と言われたとしても困ってしまいます。
この場合ですと、基本的には早く離婚するには相手の言い分を聞かざるを得ないことになりますので、まずはご自身の生活態度を見つめなおすことを念頭に入れておく必要があります。
なお、私は、毎日、何らかの形で離婚に関する事柄を取り扱っております。
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心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。
※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。