離婚公正証書作成におけるメリットと注意点
コラムこんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。
タイトルの件について解説します。
私の事務所にご相談される方で、離婚協議で取り決めた内容をまとめた離婚協議書を基に公正証書を作成するケースが数多くあります。
そこで、公正証書作成におけるメリットと注意点をお伝えします。
・そもそも、なぜ離婚協議書を公正証書にしておくといいの?
離婚後に、着実に財産分与や養育費等を支払ってもらう等、離婚時に取り決めたことを着実に実行してもらうためには、協議内容を公正証書にすることが有効です。
公正証書作成のメリットの主な事項です。
・離婚条件に関する合意内容を明確化できる
養育費を含む離婚条件を公証人立会いで証書化することで、どのような内容でお互い合意したかがハッキリします。
・原本紛失の可能性が極めて低い
公正証書の原本は公証役場で保管されます。
天災地変が起こらない限りは、無くなることがありません。
よって、原本紛失の可能性が極めて低いです。
・養育費等の不払い発生時に、強制執行が即座に行える
万一、養育費などの不払いが発生した場合は、裁判等を起こすことなく、即座に強制執行へと進められます。
そこで、離婚協議書を公正証書化する場合には、「強制執行認諾」に関する記載をしておきましょう。このような取り決めをすることによって、支払う側も未払いになると給与が差押えられ、勤務先にも裁判所からの通知が届いて面倒なことになるという自覚が芽生え、間接的に支払いを滞らせない効果が期待できます。
・離婚協議公正証書を作成する際の注意点
上記では、離婚協議書を公正証書化するメリットをお伝えしましたが、注意点もお伝えします。
・作成後の撤回はできない
公正証書は、公的な契約書のようなものです。
よって、夫婦双方がこの内容に縛られ、お互いの合意がない限り内容の変更はできません。
養育費等支払期間が長期にわたるようなものは、転職による収入の大幅な減額による支払い困難等離婚時に予想できなかったような事態が発生した場合は、放置するのではなく協議をできるようにしておく必要があります。
公正証書作成時には、連絡先や勤務先の変更は互いに通知する旨の通知義務の取り決めをしておくことをお勧めしています。
・強制執行認諾
先ほども触れましたが、公正証書作成のメリットとして、裁判をせずとも強制執行が可能なことがあります。
そのためには、「強制執行認諾」に関する事項を必ず記載しましょう。
なお、強制執行認諾とは、相手方が約束を守らなかった場合、直ちに強制執行に服する旨の記述です。
一方で、強制執行認諾により強制執行が可能な事項は、一定の内容及び金額の金銭支払等と限定されております。
強制執行できない事項については、裁判を起こす必要がありますので、事前に専門家に相談して確認する等注意しておきましょう。
・執行証書によって強制執行できるもの
金銭的な財産分与、養育費、婚姻費用など
・執行証書によって強制執行できないもの
不動産明渡しなどの財産分与、子との面会交流など
もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは当事務所にお電話、メールでお問合せください。
心配事を少しでも軽くして前向きに行動していけるように、じっくりお話をお伺いします。
※この記事は、公開日時点の法律をもとに執筆しています。
※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。
※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。