風俗好きの夫と離婚するには?

コラム

こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。

 

タイトルの件で解説します。

 

あなたが、もともと夫が風俗好きであることを知って結婚した場合でしたら、それだけでは離婚できる可能性は低いですが、結婚後、夫が黙って風俗通いしていることが発覚した場合はどうなるのでしょうか。

 

このあたりを考察してみようと思います。

 

  • 夫の風俗通いが原因で離婚できるか?

今回のブログの大前提である、「夫の風俗通いを知ってしまって、嫌気がさして離婚したい!」と思って、離婚ができるのかです。

 

日本の離婚形態として、下記3つの類型があります。

 

・協議離婚

・調停離婚

・裁判離婚

 

協議、調停の場合でしたら、夫婦間の話し合いが基本になります。お互い離婚をしようという合意ができたら、離婚が可能です。

協議は、話し合いができてかつ離婚条件でもめることない場合、調停は離婚条件でもめたり、そもそも離婚に応じてもらえない場合に利用します。調停は、家庭裁判所で、調停委員を介して夫婦間でやり取りをするので、ここでお互い離婚することに納得でき、離婚条件も双方納得となったら、離婚成立です。

調停が成立しない場合は、家庭裁判所へ離婚裁判を提起します。

 

裁判となった場合は、民法で定められた「法定離婚事由」という5つの条件のいずれかがないと、離婚の判決が出ません。

具体的な法定離婚事由は、「不貞、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復しがたい精神病、

その他婚姻関係を継続しがたい重大な事由」の5つだけです。

※私のブログでは、この法定離婚事由について、たくさん言及しますので、覚えておいてくださいね。

今回の、夫の風俗通いが争点となる場合、「不貞」、「悪意の遺棄」、「その他婚姻関係を継続しがたい重大な事由」の3つの事由に該当するかを検討します。

 

・不貞

不貞とは、ご存じの方は多いと思いますが、既婚者が、配偶者以外の人と「性交渉」をすることです。

夫が風俗店で相手をした女性と「性交渉」をしていた事実が判明すると、離婚できる可能性があります。

 

・悪意の遺棄

悪意の遺棄とは、大まかにいうと、配偶者であるあなたを見捨てることです。

夫が風俗通いにハマって、自宅に戻らない日が何日も続くとか、給料を全て風俗に使って、生活費を渡さないとかというパターンです。

 

・その他婚姻関係を継続し難い重大な事由

その他婚姻関係を継続し難い重大な事由とは、夫婦関係が破たんし、結婚生活の継続ができない事情です。

夫の風俗通いが原因で、夫婦の愛情が完全に冷え切っている、夫婦間での会話等のやり取りが完全に無い、長期間別居が継続しているなどの事情が発生していると、この事由で離婚できる可能性があります。

 

  • 次に気になるのが慰謝料

夫の風俗通いを理由とした離婚ができる可能性があるとしたら、次に気になるのは慰謝料を取れるかどうかですよね。

下世話なことですが、離婚後の生活に少しでも安心感を持てるように、主張できるところは主張していくべきところです。

まず、風俗通いの結果、お店の相手と性交渉を持ったとなったら、上記のとおり不貞行為として認められる可能性が高いため、精神的苦痛の代償として、慰謝料請求が可能になります。

一方で、その不貞行為以前よりセックスレスだったり、コミュニケーションがないなどの、夫婦関係が破綻している状態であれば、これを原因とした慰謝料請求は難しくなりますので、他の理由を探す必要があります。

また、夫に触られたくないから、あなたから「風俗でも行ってきたら?」などと言ってしまうと、あなたが風俗通いを認めていることとなるため、非常に大きなマイナスポイントです。

基本的には、あなたが夫の風俗好きな性質や風俗通いを知らない状態で、結婚後にその事実を知り、それ以前には夫婦関係は特に問題なしであった場合でないと、慰謝料請求は難しいと考えます。

  • 夫の風俗通いを理由とした、離婚や慰謝料を要求できるポイント

夫の風俗通いを理由とした離婚や慰謝料請求のポイントをお伝えします。

 

・性交渉の有無

まずは、夫とお店の女性とで性交渉があったかどうかがポイントです。

お店の形態としては、「ちょんの間」や「ソープランド」などの、性交渉ができるお店に出入りしているかどうかが重要です。

名刺やネット閲覧履歴を見て、怪しいと思ったら、一度チェックするのも有効です。

 

・性交渉をしたという証拠を集める

実際に性交渉があったという証拠を集めて、夫の不貞行為を認定してもらうように持っていく必要があります。これを実行するには、探偵に調査依頼をし、報告書等をまとめてもらう必要があります。

ご自身で行うことは、現場を見たときに感情的になったり、場合によっては夫に否定されて、逆に訴えられる可能性があるため、費用はかかりますが、プロに任せた方が賢明です。

 

・風俗通いが原因で、結婚生活がダメになったのかを理由づける

離婚が認められる場合は、5つの法定離婚事由しかありません。

今回のようなケースは、不貞行為が中心になってきますが、風俗通いが不貞行為として認められないケースがあります。

これは、あなたにとっては一大事だったとしても、夫にとっては単にお金を払って、性欲を満たすサービスを受けてきただけ、お店の女性なら誰でもいいということが結構あります。そうなると、不貞行為として認められない可能性が出てきます。

基本的に、不貞行為は不倫のように特定の思い入れのある女性と関係を持つ状態を指しますので、相手のお店の女性のファンとか、思い入れのある女性であることを証拠として挙げていく必要があります。

ネットの履歴とか、指名した女性が特定の方なのかを調査する必要があります。

一番最悪なパターンは、風俗通いの回数が少なく、「もう二度と行きません!」と強く反省して言われると、夫婦関係が壊れていないとして、離婚すら認められないこともあります。

 

・まとめ

夫の風俗通いが分かってしまうと、あなたとしては動揺しますし、夫を信用できなくなって、離婚したいと思うことは想像に難くありません。

まずは、離婚すると決めたときに、しっかりと夫のことを調査し、相手にも離婚を納得してもらえるだけの証拠を取り揃える必要があります。まずは、夫の風俗通いが原因で離婚の条件が揃うのかを確認する必要があります。

また、あなたが離婚を希望しても、夫が離婚を拒否する可能性もあります。

慰謝料請求や財産分与等もしっかりと取り決めしないと、離婚後の生活が苦しくなるということも十分にあり得ます。

拒否されても強気で交渉できるようにするためには、事前の証拠集めが重要です。

 

私は、毎日、何らかの形で離婚に関する事柄を取り扱っております。

 

もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。

 

心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。

 

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

 

※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。

 

※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。