「教えて!明日香先生」:婚姻費用の算定基準は何を使う?

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。   私は、離婚を中心に、様々な男女問題に関する相談を日々受けております。   この、「教えて!明日香先生」のカテゴリーでは、頂いた相談を一般化して、読者の皆様が分かりやすく、そして離婚や男女問題に悩む方向けに、知識として、広く知っていただけるように、Q&A方式にして、お届けします。   ですので、読者の方にそのまま当てはまるとは限りませんが、ご参考として読んでいただけたら幸いです。   Q.婚姻費用の算定基準を教えてください。   明日香先生、こんにちは。   K子です。29歳です。34歳の夫(不動産営業マン)と7歳の息子と3人暮らしです。 実は、すでに4年前から別居をしており、離婚を考えております。 現在、夫はもともと一緒に住んでいた賃貸マンションで一人暮らし、私と子供は実家で生活しております。 夫は年収800万円くらい、私は地元の運送会社の経理事務で勤めており、年収240万円くらいです。 夫から、婚姻費用を算出するにあたり、自分の給料は固定給が低く、歩合給が大半を占めているから、固定給ベースになるので、婚姻費用算定表は固定給ベースと考えてもらいたいので、そんなに支払えないと言い張っています。 確かに、夫の勤務先の給料制度は、固定給:歩合給=1:4となっており、夫の言い分は正しいようにも思います。 しかし、私は、夫の年収ベースで計算すべきではと思い、本日相談に来させていただきました。 実際のところ、夫の言い分は正しいのでしょうか。 教えて下さい。  
  1. K子さん、本日はご相談にご来所頂き、ありがとうございます。
別居が長期間にわたっているので、心身ともに相当お疲れだと思います。 ご実家住まいとはいえ、お子さんもいらっしゃるし金銭的なご苦労はされていると思います。 私でお力になれることは対応しますね。 早速ですが、ご相談の件、回答します。   通常、婚姻費用算定については、賞与や歩合給を含めた年収を基準に行います。 その金額をベースにして、婚姻費用算定表に当てはめた金額こそ、ご主人がK子さんに渡すべき婚姻費用となります。 よって、ご主人の言い分は通らないと考えます。   ただ、ご主人の職業柄、毎月のお給料の額は不安定とのことなので、算定表で算出された金額だと、月によっては支払えない=K子さんが受け取れない月もあるという懸念が生じるかと思います。 その際は、歩合給や賞与が出た月には多めに支払うという取り決めを提案し、双方合意出来たら、その合意に従って婚姻費用の支払いをご主人がされるというのも一つの方法としてあります。   現状ですと、協議離婚で解決できそうな雰囲気ではありますので、まずは自分の要求をご主人にどのように伝えるのか、伝え方ひとつで受け入れてもらえたり拒否されたり、相手方の反応が違ってくることもありますので、よく考えてから提案するのが大事だと思います。 話し合いが上手くいかず拗れそうになったら、早めに相談に来てくださいね。     また、今日以降で困ったことがあったり、進展がありましたら、都度ご相談ください。   K子さんが、明るい未来で生活できるように、サポートいたします。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。   ※この記事は、公開日時点の法律をもとに執筆しています。   ※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。   ※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。