「教えて!明日香先生」:タバコアレルギーの夫と別居中に、室内でタバコを吸うこと

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。   最近は、豊中市だけでなく、近隣の池田市、吹田市、箕面市からも、たくさんのご相談やご依頼をいただいております。   私は、離婚を中心に、様々な男女問題に関する相談を日々受けております。   この、「教えて!明日香先生」のカテゴリーでは、頂いた相談を一般化して、読者の皆様が分かりやすく、そして離婚や男女問題に悩む方向けに、知識として、広く知っていただけるように、Q&A方式にして、お届けします。   ですので、読者の方にそのまま当てはまるとは限りませんが、ご参考として読んでいただけたら幸いです。  
  1. 別居中ですが、タバコを部屋で吸うことに問題はありますか?
  明日香先生、こんにちは。 L子と申します。38歳の専業主婦です。5歳上の夫と、中学2年の娘と3人家族です。 ただ、現在夫とは別居中で、私は中学3年の娘と一緒に暮らしています。 夫は自分でアパートを借りていて、私たちは夫と共有名義の持ち家に住んでいます。   今日、相談に伺ったのは、私は喫煙者で、夫も元喫煙者ですが、急にタバコアレルギーを発症してしまい、タバコは止めました。 夫のタバコアレルギーは、煙を吸い込むと、せき込んでしまい、ひどい場合は発疹があります。 今までは、夫の体調を気遣って、室内でタバコを吸うことはありませんでしたが、もう夫はいないし、夫の浮気が別居の理由ですので、離婚することも夫に打診している現状なので、室内でたばこを吸ってもいいのかなと最近は思っています。   そこで、質問ですが、夫の許可なく、持ち家でタバコを吸ってしまったら、現状の状態であっても、夫から慰謝料を請求されたりしますでしょうか。   もし、慰謝料を支払う必要があるケースであれば、どれくらいの金額を支払う必要がありますでしょうか。   明日香先生のアドバイス次第では、室内でタバコを吸うことは万事解決するまで控えようと思います。   明日香先生、よろしくお願いいたします。  
  1. L子さん、今日は相談にお越し下さり、ありがとうございます。
ご主人の浮気発覚で、L子さんの心が傷ついて、お気持ちはいかほどかと思います。 心中お察し申し上げます。 また、現状ですと、精神的負担が大きいので、ストレス発散でタバコを吸いたくなるお気持ちもよく分かります。 ただ、このような時だとタバコの本数が多くなるかもしれませんね。。くれぐれも健康を損なわないようにしてくださいね。   では、ご質問の件、回答いたします。   ご主人から、室内でタバコを吸うことだけで違法性があるとして不法行為であると慰謝料を請求をすることは、非常に難しいと思います。   なお、違法性がある不法行為に当たると攻撃される可能性がある行動としては、   ・意図的にアレルギーを起こすように、タバコを室内で吸うこと ・離婚して家を売却するときに、タバコのヤニや匂いで不動産の価値を下げてしまうこと ・ご主人が離婚をする気が無く、別居を解消しようとして、自宅に戻ることを考えているところで、タバコの煙や匂いで戻れないようにすること ・ご主人が明らかに持ち家に戻る意思表示をしているのに、そのことを踏まえてタバコを室内で吸うこと   等が挙げられます。   特に家に戻る意思表示が明らかにわかるのに、あえて室内でタバコを吸うことや、L子さんがLINE等で「もう帰って来なくていい」とご主人を排除する意思がある言動等を行っていると、場合によっては慰謝料請求が認められる等、不利に働くことがあり得ます。   仮に慰謝料請求が認められたとして、その額についてですが、室内でタバコを吸うことによる精神的損害に対する慰謝料は、多くても10万円程度ではないかと思われます。 一方で、明確にアレルギーの悪化等身体的被害があり、診断書等の証拠がある場合は、数十万円程度になることも考えられます。 但し、ご主人側がタバコをL子さんが室内で吸ったこと並びに健康被害が出たことを証拠で証明する必要があるため、ご主人から慰謝料請求をすること自体が難しいかもしれません。   とはいえ、先ほどお伝えした通り、ご主人が帰りたいと言っているのに帰ってくるなとLINEで送っていたり、ご主人に健康被害を与える意図で室内でタバコを吸うことは、場合によっては慰謝料請求につながる行為となりますので、現状は室内でタバコを吸うことは避けておく方が無難だと思います。   あまり対応したことがないケースでしたので、今までの経験則でお話しさせていただきました。   私のアドバイスが有益であれば、至極光栄です。   もし、私のアドバイスを活用して、引き続きご相談したいことが出てきたり、私に離婚に関する手続きをご依頼することになりましたら、改めて状況等をお伺いしますね。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。