モラハラの定義

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。 豊中市のほか近隣の池田市、吹田市、箕面市からも、たくさんのご相談やご依頼をいただいております。   タイトルの件で解説します。   近年、ニュースでもよく話題になるハラスメント。 パワハラ、セクハラはよく話題になるため、ご存じの方が多いと思います。 また、離婚理由にもよく出てきますので、私のブログを読まれる方にとっては、良く知っている事柄だと思います。 そして、最近は、これらだけでなく、さまざまなハラスメントが出てきており、人間関係に摩擦を生む原因となっております。 特に、モラルハラスメント、略してモラハラが離婚原因としてよく挙がるようになりました。   私の事務所へ相談に来られる方も、モラハラが原因で離婚したいとおっしゃる方が増えています。   そこで、このブログでは、モラハラについて様々な視点からお伝えしていこうと思います。 「もしかして、これってモラハラ?」と思われたら、一度このブログを読んでみてください。 お役立ちできたら幸いです。  
  • モラハラとはどういう行為ですか?
  まず、モラハラの語源をお伝えします。 モラハラの「モラ」はモラルの略称です。 「ハラ」はハラスメントの略称です。 直訳すると、モラルは倫理や道徳という意味で、ハラスメントはいやがらせという意味です。 よって、モラハラとは、「倫理的、道徳的に反した嫌がらせ」となります。   モラハラの具体例としては、下記のようなものが挙げられます。   ・相手を無視する ・暴言を吐く ・にらみつける ・嫌みを言う ・直接嫌がらせをする ・言動や行動で馬鹿にする ・人格を否定する言動をする 要するに、相手に対して、精神的苦痛を与える、陰湿な行為を指します。   また、モラハラは夫から妻だけでなく、妻から夫への行為も対象です。 例えば、妻が夫に「この安月給取りが!」とか「ATM夫!」と言うことは、夫を否定する暴言ですので、モラハラに該当します。   そして、モラハラをする人の特徴としては、常に優位に立ちたい、上に立ちたいと考える人が多いようです。   モラハラをする人は、相手を選ぶ傾向にあります。 例えば、経済的に優位に立っている人、権力を持っている人、クラスの人気者等が、そうでない人にモラハラをする傾向があります。 なぜなら、常に相手に対して優位性を保つことができるからです。   具体的には、下記のような性質を持っている方は、モラハラ傾向があると言えます。   ・自己中心的な人 ・プライドが高い人 ・嘘つき ・自分が常に正しいと思い、謝ることをしない人 ・独善的な考えを持ち、会話が成立しにくい人 ・思いやりに欠けている人 ・人の心情に対する共感能力が欠けている人  
  • モラハラに該当する行動等
次に、モラハラに該当する行動等を下記に挙げますので、ブログを読んでくださっている方は、 「もしかして、これはモラハラ?」と思い当たることがあるかもしれません。 指針としてご活用ください。   モラハラに該当する言動 「お前はダメな奴だ!」 「使えないなぁ。」 「ATM夫!」 「誰のおかげで生活できてるんや!」 「この馬鹿夫!」 「お前はしょせん高卒やからなぁ。」 「俺の言うことが正しい。お前は間違っている。」   モラハラに該当する行動 相手を束縛する 行動を監視したがる 相手の些細な行動が気になる 相手に対する依存度が高い プライドの高さで頭を下げることができない 自分の価値観を絶対的なものとして相手に押し付ける 相手を無視する 子供などの第三者に悪口を言って、悪いのは相手だと洗脳する(子供や親族を巻き込んだモラハラ)   モラハラをする人は、上記のように相手に対して常に優位性を保とうとするため、様々な視点から相手の弱点を見出し、それを指摘する言動や行動を取ります。 このような言動や行動を取られた経験がありましたら、モラハラを疑ってもいいかもしれません。  
  • モラハラに対して法的にできること
モラハラに対しての法的措置としては、離婚と慰謝料請求がメインとなります。 もし、離婚をしたいと思ったら、まずは話し合いになります。 話し合いは夫婦間で直接行っても良いですし、弁護士等専門家を間に入れて行うこともできます。 一方で、モラハラをする人は、相手の言うことに聞く耳を持たない人が多いですから、直接話をしてもはぐらかすか、「お前と離婚する気はない!」と激怒して、一方的に話し合いが打ち切られる可能性があります。 直接の話し合いが精神的な負担が大きく困難であると考える場合は、初めから弁護士に依頼することも考えてもいいかもしれません。 話し合いでは解決しない場合は、調停や裁判へと進めていくことになります。 なお、離婚裁判まで進みましたら、私のブログで頻出の5つの法定離婚事由が必要になりますが、モラハラについては、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。 よって、モラハラの程度が婚姻生活を継続できない程にひどいため、離婚をしたいということを、証拠を提出して裁判所に説明する必要があります。証拠はないことが多いですし、過去の辛かった出来事を振り返り主張することは、それなりの精神的負担がかかります。 ですので、裁判までもつれることなく、協議離婚や調停離婚で解決できるように動くことが肝要です。   次に、慰謝料請求についてです。 モラハラは、暴言や無視などの人格を否定する言動や行動によって、モラハラ被害者の人格権を侵害する不法行為となりますから、それを理由として、慰謝料請求が可能です。   慰謝料の相場は、おおよそ10万円単位~200万円程度といわれています。 モラハラ行為の回数が多いとか、長期にわたっている場合や、精神疾患を発症した等、程度によっては、さらに高額請求が可能な場合があります。 こちらについても、証拠提出が必要なので、少しでも多くの慰謝料を勝ち取るためには、証拠集めが肝要です。  
  • モラハラを立証するための証拠集め
離婚や慰謝料を請求するためには、証拠集めが肝心です。 では、どのような証拠だと認められやすいかが気になるかと思います。 下記に挙げますので、ご参考ください。   ・モラハラを受けた言動を録音する→ICレコーダーでOK。 ・メールやLINEのやり取りを残す→スクリーンショットやバックアップでOK。 ・相手から渡されたメモ等を捨てずに取っておく→嫌味や悪口だけでなく、束縛をするような夫の言動やメモ等も証拠になります。 ・日記をつける→毎日つけていると証拠能力が高まります。 ・SNSの画面を保存する ・病院に行く→鬱などの精神疾患が出るかと思いますので、医師に診断書を作成してもらい、通院歴を証明するために病院の領収書を取っておくこと。 ・女性センターなどの公的機関に相談する→早い時期から第三者に相談することで、その事実が証拠になりえます。   上記のような行動を積極的に取り、モラハラに立ち向かう意思を固く持っておくことが肝要です。 もちろん、常に前向きな気持ちではいられないと思いますので、その際は弁護士等に相談して、精神的負担を軽くすることも考えましょう。  
  • すぐに対処可能なモラハラを避ける方法
モラハラを避けるには、まずは物理的に離れることです。 端的にいえば、別居です。 別居をすることで、精神的負担が軽くなり、相手も優位性を発揮できる状況ではなくなることから、モラハラが治まる可能性があります。 ただし、モラハラの程度が大きい人は、別居すること自体が面白くないため、拒否する可能性がありますし、場合によっては、暴力等に発展する可能性があるため、注意が必要です。 また、モラハラの程度が軽く、本当に相手のことを尊敬できるところがあるのであれば、その点を褒めることも効果的です。 モラハラをする人は、常に優位性を保つことを目指しているため、褒めてもらえると、相手から優位性を提供してくれている状況になるため、心地よい状態になります。   いずれにせよ、モラハラに対しては、毅然とした態度を取る、相手の甘言に乗らないことが必要です。離婚交渉も難航して時間を要することがあるため、納得がいく解決のためには、一人で抱えず、話すと元気になれる、そんな人間関係を持っておくことも大事なことになってきます。    
  • まとめ
モラハラを理由とした離婚や慰謝料請求は、近年非常に増えていると私は感じます。 モラハラをする人は、自己中心的で、自分が正しいと思い込んでいる傾向にあります。 そして、モラハラはどの家庭にも起こりえる、身近なものです。 程度がひどくなると、モラハラを受けている方が自分が悪いと自分を責めるようになり、精神的に参ってしまい、どんどん追い詰められていくことになります。 そうなってしまうと、鬱などの精神疾患を発症し、取り返しのつかないことになりかねません。 もし、モラハラを感じ、離婚や慰謝料請求を行いたいと思ったら、少しでも多くの証拠を早くに集めて、離婚が得意な弁護士に相談することも肝要です。 離婚が得意な弁護士に相談すると、適切なアドバイスや証拠集めの方法も教えてくれます。 そして、一日でも早く解決に向かおうという強くて固い意思を持つことが大事です。   このブログを読んで、「武澤先生に相談したい!」と思ったら、ご遠慮なくご連絡ください。   私は、毎日、何らかの形で離婚に関する事柄を取り扱っております。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。   ※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。   ※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。   ※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。