教えて!明日香先生:共同親権について

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。   最近は、豊中市だけでなく、近隣の池田市、吹田市、箕面市からも、たくさんのご相談やご依頼をいただいております。   私は、離婚を中心に、様々な男女問題に関する相談を日々受けております。   この、「教えて!明日香先生」のカテゴリーでは、頂いた相談を一般化して、読者の皆様が分かりやすく、そして離婚や男女問題に悩む方向けに、知識として、広く知っていただけるように、Q&A方式にして、お届けします。   ですので、読者の方にそのまま当てはまるとは限りませんが、ご参考として読んでいただけたら幸いです。  
  1. 令和8年4月1日からスタートした共同親権を申し立てられるかも・・・。
  明日香先生、初めまして。   X子と申します。   49歳で、8年ほど前に離婚が成立し、今は16歳の高校生の息子と2人で生活しております。   子供が小学5年生頃に、元夫が夫婦喧嘩がもとで家を出て行ってしまい、それから元夫が離婚を渋ったため、結局は調停で離婚したものの、約2年かかりました。 離婚原因は、元夫の浪費癖と息子の生活や成長に関する過干渉で、それを幾度となくとがめていましたが、最後の夫婦喧嘩の時に、「もうお前とはやっていかれへん!」と言われて、そのまま出て行ってしまいました。   私と息子の生活は、穏やかかつ安定して生活できており、息子も毎日楽しそうに学校に行っております。   そして、調停で取り決めた、月1回の面会交流を欠かすことなく行っております。 息子も、その時はやはり父親に会いに行くのが楽しみなのか、それなりに満足している模様です。   今日、明日香先生に相談に伺ったのは、この4月1日から始まった共同親権についてです。   元夫との離婚調停でもめたのは、息子の成長や養育に関わることでした。 親権も元夫が自分が取得できるようににめちゃくちゃ要求してきましたし、今でも、息子の成長に関わることが喜びなのか、息子にいろんな本や物を買っています。   ですから、離婚調停は成立したものの、元夫の性格上、息子の成長に関することには絶対に納得がいっていないでしょうし、これから大学等の進学や就職に関することに口出ししたいと思っているが容易に想定できます。   そこで、この共同親権のことを、息子を介してしきりに持ち出してくることが考えられます。   ただでさえ、お金のことと元夫の過度な口出しという苦労から解放され、ようやく息子と平穏な生活が送ることができるようになったのに、また元夫の干渉が始まると思うと、考えるだけで非常にしんどいです。   毎月の面会交流についても、本音を言うと、元夫に息子を会わせたくないのですが、こればっかりは仕方がないと思って、段取りしています。   明日香先生に質問ですが、もし、元夫が共同親権を求めてきたときに、共同親権をすることを拒否することは可能でしょうか。 現在、ひとまずは月1回の面会交流を欠かさず行っていることで、共同親権への変更がスムーズに行われてしまうことを懸念しています。 そして、共同親権を求められたら、離婚調停で確定した内容はすべて白紙になるのでしょうか。   万一、元夫が共同親権を求めてきたら、拒否できるようであれば、明日香先生に拒否するための弁護を依頼しようと思っています。   アドバイスをよろしくお願いいたします。  
  1. X子さん、今日は相談にお越しくださり、ありがとうございます。
  離婚調停が2年ほどかかったとのことで、非常に肉体的、精神的疲労が大きかったと思います。 でも、現在は穏やかにお子様の成長をご自身で見守れていることは、本当に良かったと思います。   確かに、共同親権の制度が、この4月1日にスタートしたので、気が気でないと思います。   まだ始まったばかりの制度ですので、今後、様々な事例で出てくると思いますが、現時点で判明していることを念頭に、ご質問にお答えしますね。   まず、共同親権は、家庭裁判所に親権者変更の申し立てが必要で、その理由を明確にする必要があります。 自動的に共同親権に移行することはありません。 裁判所は、共同親権への親権者変更を申し立てられたとき、X子さんと息子さんのこれまでの個別事情と今後の見通し、息子さんの意思や心情等、息子さんの利益の確保を最優先事項として、それら総合的に踏まえたうえで、申立人が訴えている共同親権が、本当に息子さんのニーズを満たすかどうかを考えます。 専門家である調査官調査を行い、その調査の結果、共同親権にするのが良いとなりますと、裁判所の判断も同様の結論となり、共同親権に変更されるという流れです。   現状、約8年の離婚後の生活が送られ、月1回の面会交流は欠かしていないとのことですし、X子さんがしんどい思いもしながらも、元夫さんの権利を履行するように、面会交流の日程調整等をしています。 このことから、X子さんの精神的負担が相当であると見受けられますので、共同親権を行うことで、息子さんの利益に反すると判断される可能性がありますし、現在行っているやり方で、息子さんが安定して生活できていると裁判所が判断すれば、現在のやり方をそのまま継続することを重視する可能性があります。   よって、月1回の面会交流が欠かさず行われたことをもって、共同親権にスムーズに変更されることはありませんし、元夫さんから申し立てられた際に、X子さんが拒否することは可能です。   そして、共同親権を求めてきたからと言って、離婚調停時に作成された調停調書の内容がすべてに白紙にはなりません。   元夫が共同親権への親権者変更を申し立て、元夫の主張が認められたときに、この調停調書に記載された内容をベースにして、変更が必要と判断された事項のみを見直す流れになります。 もし、元夫さんから、共同親権への親権者変更の申し立てが実際に行われた場合は、X子さんは拒否することは可能ですので、X子さんのこれまでの精神的負担の経緯を丁寧にまとめて、元夫との協力関係が築けないこと、共同親権になることで息子さんにとって悪影響になることを主張して、その理由をきちんと具体的に主張できるようにすることが大切です。   新しい制度が始まると、やはり不安のほうが大きくなりますが、X子さんのケースですと、元夫さんの出方を見て、じっくり対処すれば、X子さんの不安は解消できるかと考えます。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。