乳幼児の面会交流の条件の考え方

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。 豊中市のほか近隣の池田市、吹田市、箕面市からも、たくさんのご相談やご依頼をいただいております。   タイトルの件で解説します。   お子さんがいる夫婦間で離婚する場合は、養育費等はもちろんのこと、別居した元配偶者(このブログでは、元パートナーと言います。)が子供に会う権利である面会交流の頻度等を決めることとなります。 小学生などの、ある程度の年齢に達すると、面会交流の条件を決めやすいですが、0~3歳までの乳幼児ですと、お子さん自身や親権者であるお子さんと一緒に住んでいる親の負担も大きいです。 また、様々な理由から、乳幼児の面会交流に抵抗感を持つ元パートナーの方も多いと思います。   そこで、このブログでは、乳幼児期のお子さんを持つパートナー同士の面会交流の条件設定について解説いたします。  
  • 乳幼児の面会交流は非常に難しい
法律上、たとえ離婚していても、一緒に住んでいない元パートナー、お子さんの視点からすると、別居している親とのふれあいは、積極的に行うべきと考えられています。 一方で、0~3歳の乳幼児期ですと、下記の理由により、面会交流の実施が難しいことになることが多いです。   ・お子さん自身が体調を崩しやすい ・母子分離が難しい →母子分離とは、乳幼児が、面会交流等で短時間であっても、母親と離れる状態になること。乳幼児期の子供は、母子分離不安により、泣いたり、精神的に不安になることが多い。 ・お子さんと同居している親の立会が不可欠なので、それが負担となる   そして、上記の不安定な状況が続くと、乳幼児期だから、お子さんに記憶はないであろうから、面会交流が本当に必要なのか?と疑問視する元パートナー、特にお子さんと同居しているお母さんには多いと思います。 また、面会交流をしないことで、養育費の金額や支払いに影響が出るかもという不安を持つ方がいらっしゃいますが、面会交流と養育費については、全く別の問題です。 よって、面会交流を行わなくても、養育費は支払う必要があります。   ただ、別居している元パートナーともお子さんがふれあいを持つことで、お子さんは「離れて暮らしている親からも愛されている」という実感がわき、自己肯定感を高め、お子さんの安定的な心身の発達が期待できます。 よって、面会交流を離婚条件に含めておくこと自体は、子供の健全な成長のためにも、やっておいた方がいいと思われます。  
  • 子供が嫌がった場合は、面会交流を拒否できるのか?
上述の通り、乳幼児期の子供は、特にお母さんから離れることを嫌がる傾向にあるため、面会交流の予定を設定しても、当日に子供が嫌がって、拒否せざるを得ない状態になるかもしれません。   しかし、面会交流は、法律上認められる権利なので、正当な理由が無いと、拒否ができません。 元パートナーであるあなたが、相手に懐いたら嫌だ、元パートナーが大嫌いという理由ではもちろん拒否できませんし、お子さんの拒否があったとしても日程を変更したり、お子さんが楽しく面会できるように配慮する等で、面会交流自体は実施するようにしなければならないことになります。 何度も拒否すると、相手から面会交流調停を申立てられ、家庭裁判所から審判で強制的に面会交流実施要領を決められることになる可能性が出てきます。   但し、下記のようなケースですと、正当な理由ありとして、面会交流を拒否してもよくなります。   ・離婚前に、お子さんへの虐待があり、今もお子さんに対する危険が及ぶ可能性がある場合 ・元パートナーが面会交流をきっかけに、お子さんを連れ去る可能性が極めて高い場合 ・面会に立ち会うお子さんと同居している元パートナーに対して暴力を振るう可能性がある場合   では、お子さんがどうしても嫌がる場合はどうすることになるでしょうか。 乳幼児期の子供は、自我が芽生えておらず、本人が客観的に判断できないと考えられているため、お子さんが嫌がる=本当に元パートナーと会いたくないとは断定できないことになっております。 ですので、試行的面会交流という、家庭裁判所にある家族面接室などの第三者の施設等で、家庭裁判所の調査官が見守る中で、お子さんと元パートナーを試行的に会わせる試行的面会交流を活用することになります。 この面会交流で、お子さんの心情や別居している元パートナーとの関係性等を把握し、引き続き面会交流を続けるか否かを決めることになります。   ちなみに、ご自身にとっては、元義両親、お子さんにとっては、離れて住んでいる親のおじいちゃん、おばあちゃんと面会交流させる義務まではありません。 しかし、元パートナーが両親を連れて面会交流を行う可能性は低くないため、義両親だった方には会わせないことを希望する場合は、離婚条件に、「面会交流に祖父母とは会わせない」等を盛り込んでおくことはできます。 ただ、子供にとっては、どちらの祖父母も大事なルーツですから、できる限り、交流を継続することができるのが、子供の視点から見た場合は最善だと思います。  
  • オンライン面会交流はしていいのか?
乳幼児期のお子さんは、日々の体調や、風邪やインフルエンザが流行っている時期、数年前まで猛威を振るった新型コロナウイルス等にかからないようにするために、特に寒い冬は、なかなか外に出しにくく、面会交流をしにくい時期になります。酷暑の夏も難しいかもしれないですね。 そこで、パソコンやスマホのテレビ会議アプリを使ったオンライン面会交流は可能なのかということですが、条件を決めれば、オンラインによる面会交流も可能です。 もし、オンラインで面会交流を実施する場合は、下記のような条件等を決めておく必要があります。 このブログでは、一例を記載いたします。   ・方法はビデオ通話までOKか、電話までOKか、メールのみなのかを決める。 ・日程調整の方法、頻度並びに時間設定をある程度決めておく ・スマホは誰のものを使うのか等、どのような方法をとるかを良く決めておく  
  • 乳幼児期のお子さんとの面会交流で決めておくべき条件
面会交流を行う際に、決めておいた方がいい条件を記載しておきますので、離婚協議等を行う際に検討してみてください。   ・頻度:通常は1か月~3か月に1回程度。元パートナー同士の仕事や居住地、お子さんとの関係性等を考えて設定します。 ・時間:子どもの体力や負担等を考えて、30分~1時間程度に決めておくのが無難でしょう。 ・開始時間、終了時間:子どもの体調や生活リズムに合わせて、午前中の時間帯がよいと思われます。 ・場所:ファミリーレストラン等での外食、ショッピングモール、公園で遊ぶなど、お子さんが安心してのびのび過ごせるところを設定します。 ・お子さんと待ち合わせする方法や連絡方法:駅での待ち合わせや車で迎えに来てもらうこと等を、その都度LINEやメールでやり取りして決めることが多いです。最近は、面会交流の連絡調整専用のアプリを利用する方も増えているようですね。   子供の成長に合わせて、徐々に時間を延ばしたり、場所を変えたり、変化していくのが面会交流です。今は短時間でも、少しずつ時間を延長し、長く継続させていくことが、子供にとって一番良いことになります。   なお、連絡先を元パートナーに知られたくない、スマホを自分のものを使いたくないなど、元パートナーに何らかの形で、ご自身の個人情報を知られたくないとお考えでしたら、一度離婚に強い弁護士に相談することをオススメします。 離婚事件を数多く扱っている経験から、有益なアドバイスができます。   また、面会交流を極力してほしくない、面会交流をしたいけど、相手が認めてくれないという場合は、離婚に強い弁護士に相談し、面会交流の条件に関する交渉を代理してもらうことも考えてみましょう。面会交流の紛争は、思っている以上に複雑な面があり、難しいです。子供の視点から何が最善か、冷静になって考える必要もあります。 話し合いでまとまらない場合は、調停、審判と進んでいくことになりますが、ご自身の思いをしっかりと依頼した弁護士に伝え、ご自身にとって満足のいく結果が得られるように弁護士も動いていくことなります。   さらに、お子さんが成長する中で、面会交流を嫌がったり、怖がったりして、面会交流の条件を再協議する必要が出てくることは少なくないです。その際も、ご自身の言い分を確実に聞いてもらうために、離婚に強い弁護士に、面会交流の条件についての交渉を依頼することで、ご自身にとって納得のいく、現実的な条件に変更できる可能性が期待できます。  
  • まとめ
乳幼児期のお子さんの面会交流は、母子分離の不安、お子さんご自身の体調変化等、乳幼児特有の問題が多々あります。 また、離婚の際に親権争いで解決に時間がかかっている等、子供を巡る紛争が長引く中での面会交流は、トラブルを避けながらも、子供が安心して楽しめるような面会交流の実現に心を砕く必要があります。 まずは、お子さんの人生が少しでも良くなるように、元パートナー同士で子供のために最善を尽くし、納得のいく条件を決めることが必要と考えます。 もし、面会交流の条件の話し合いでうまくいかないとか、ご自身の想定した結果を得たいとお考えでしたら、まずは離婚に強い弁護士にご相談ください。   そして、このブログを読んで、「武澤先生に相談したい!」と思ったら、ご遠慮なくご連絡ください。   私は、毎日、何らかの形で離婚に関する事柄を取り扱っております。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。   ※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。   ※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。   ※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。