こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。
豊中市のほか近隣の池田市、吹田市、箕面市からも、たくさんのご相談やご依頼をいただいております。
タイトルの件で解説します。
夫もしくは妻からの言動にひどい疲れを感じる、夫もしくは妻が家に帰ってくる又は家にいると思うと、帰りたくなくなる、精神的に異常な負担を感じる等、「これってモラハラでは?」と感じて、このブログにたどり着いた方は少なくないかもしれません。
モラハラは、目に見える傷は残しません。
しかし、あなたの心を確実に蝕む「暴力」として定義されています。
よって、夫もしくは妻に浮気の兆候がないとしても、夫もしくは妻から精神的な虐待を受けていることが認められることで、これを原因とした離婚は可能となります。
離婚はしたいけど、自分が夫もしくは妻を怒らせている原因を作っているかもしれない、夫もしくは妻が怖くて、離婚の2文字を言えない。
そこで、このブログでは、そんなあなたにお役立ちできるであろう、精神的虐待を理由にした離婚に関すること等をお伝えします。
あなたの明るい未来を切り開くためのきっかけになれたら、筆者望外の喜びです。
先ほど記載した通り、モラハラ等精神的虐待を理由とした離婚は可能です。
そこで、万一裁判にまでもつれ込んだ時に、その精神的苦痛が、「相手の言動が第三者から見ても耐えがたいほどの人格否定である」ことを裏付ける証拠が必要です。
まずは、離婚が認められる精神的苦痛の事例を挙げます。
・夫もしくは妻の浮気
・生活費をもらえない
・モラルハラスメント
一つ目の浮気については、言わずもがな、このブログでも良く出てくる、「不貞行為」に該当しますので、それだけで離婚理由となります。
浮気をした方の良くある言い訳としては、「お前の言動が原因で家に帰る気が無くなって、仕方なくよそで女を作った!」と開き直るパターンがあります。
確かにこれを強く言われると、たじろいでしまうかもしれません。
しかし、法律上、結婚には、貞操義務が課せられており、不貞行為は貞操義務違反となります。
よって、浮気をした方やその周囲が、いくら「お前が悪い!」となじろうとも、浮気をした方が悪いです。
有責なのは浮気をした相手方ですので、離婚をお考えでしたら、堂々と離婚を宣言し、慰謝料等を請求することが可能です。
二つ目については、経済的にひっ迫することは、そもそも夫婦ともに無職で、生活が困窮している場合ですと、生活保護を受けること等を考える必要がありますが、例えば、専業主婦として家事や育児に専念し、働ける状況にない場合で、夫が生活費を渡さないということがあれば、夫婦には、生活保持義務が課されているので、それに違反しているとして、離婚原因として認められることがあります。
ですから、生活費をもらえない状況に陥った場合は、本当に困窮している場合を除き、相手方が有責となるので、こちらも離婚をお考えでしたら、堂々と離婚を宣言し、生活費等を請求することが可能です。
三つ目については、近年、特に増えているケースです。
確かに身体的な暴力では無いため、見た目は傷を負っていませんが、精神的に傷を負っていると、正常な判断が難しくなり、自分を必要以上に責めてしまう等して、さらに精神的に追い詰められることになります。
その場合は、一人で抱え込まずに、離婚を得意とする弁護士や、配偶者暴力相談支援センターなどに相談することをお勧めします。
具体的なモラハラの事例は下記が挙げられますので、ご参考ください。
・突然、怒鳴る
・理不尽に八つ当たりしてくる
・気に入らないことがあると執拗に罵声を浴びせる
・急に人格を否定するような嫌味を言う
・突然、無視をする
・病気等動けない理由があるのに、「役立たず!」などと罵倒する
・あなた自身ではどうにもならないこと(出自、家庭環境)を責め立てる
・実家や友人との付き合いを制限する
・ものを叩いて威嚇する
・自分の死をちらつかせて、言うことを聞かせようとする
モラハラをする方は、往々にして、他者への人当たりがよい方が多いです。
ですから、夫もしくは妻の実家や、友人等からなかなか理解されない、気づいてもらえないことがあります。
また、モラハラをする方は、悪いのは相手だと考え、自らの非を認めない方が多いです。
逆に、自分の手中に収めていたあなたが離婚という反旗を翻したとすれば、激怒し、離婚に向けての話し合いが全くできない状況になることも少なくありません。
ですので、モラハラ等精神的虐待を理由にした離婚は、直接の協議は難しいことが多く、離婚調停に進み、場合によっては、裁判になることもあり得ます。
そこで、確実にモラハラによる精神的苦痛を理由にした離婚を認めてもらうために準備すべきことをお伝えします。
・モラハラを証明する証拠集め
モラハラを証明するためには、先述の通り、裁判所を含めた第三者が、「耐えがたいほどのモラハラを受けていた」ということを証拠によって明らかにする必要があります。
そのため、まずは、誰が見ても明らかにモラハラを受けていることで間違いないと認めてくれるような証拠集めが肝心です。
具体例としては、下記のものが挙げられます。
・夫に言われたことで、傷ついたことを記した日記やメモ帳
・夫の言動の録音や撮影
・夫から届いた電子メールやSNSのメッセージ
・警察等公的機関への相談履歴
・精神科など医師による診断書、通院履歴
また、モラハラは急に始まるため、ボイスレコーダーを常に携帯しておくことも一考かと思います。小型のレコーダーなどを常に用意しておくとよいかもしれません。
・医師や弁護士、専門機関へ相談
毎日暴言や無視などのモラハラ行為を受けていますと、必ず精神が疲弊します。
そして、物事を前向きに捉えられなくなったり、場合によっては、正常な判断が出来ない状態に陥ります。
もし、ご自身でそのような状況に陥っているとお考えになりましたら、まずは公的機関や、精神科、心療内科等の医療機関へ相談に行きましょう。
自分で動けるうちに、手の尽くす限り、相談記録を残しておき、特に医療機関の受診歴については、証拠能力が高い診断書作成の基礎となりますので、まずは冷静になれる状況で、ご自身の現状把握をし、胸の内を言葉にして吐き出すことをやってみましょう。
【公的機関】
・婦人相談所
・女性センター
・配偶者暴力相談支援センター
・法テラス
・児童相談所、児童相談センター→お子さんがいらっしゃる場合
・場合によっては最寄りの警察署
そして、一番大切なことですが、ご自身の人生です。まずはあなた自身を守ってください。
離婚すれば、今の苦しい状況から抜け出し新たな道が開かれると直感的に思いましたら、まずは一歩踏み出して行動すべきです。
モラハラをする方は、先述の通り、人当たりがいい方が多いので、家庭と外の顔に二面性があることが多いので、他人からは気づきにくいです。
結果的に、頼れる人がいないとご自身で解決する方法しかなくなり、精神的に追い詰められてしまうと正常な判断が難しくなり、相手の良いように、精神的に支配されるという最悪なバターンが待っています。
それを避けるためにも、万一、どうしていいかが分からない、夫もしくは妻がさらに厳しい態度で迫ってくる頻度が増える等、恐怖等で精神的苦痛が強くなることが予想できる場合は、先ほどの公的機関や離婚に強い弁護士事務所に相談するなども一つの方法です。
ご自身の人生を第一に考えて、勇気を出して動いていただけたらと思います。
専門家に話を聞いてもらい、冷静な判断ができるようになると、証拠集め等も意外とスムーズに進みます。
精神的虐待を理由とした離婚を実行するにあたって、同時に慰謝料、養育費、財産分与請求についても検討する必要があります。親子交流も合意形成が難しく、揉めて問題になることもあります。
モラハラをするような夫もしくは妻とはもう一日でも早く縁を切ってしまいたい、今後の関わりは一切持ちたくないと考え、本来であれば請求して受け取ることが出来る慰謝料や財産分与、養育費を早々とあきらめる、もしくは気づかずに離婚をするということがあり得ます。
しかし、離婚後、ご自身の生活を円滑に立ち上げるためにも、慰謝料等を受け取ることは大事なことになってきます。
なお、モラハラによる精神的苦痛を理由に離婚した場合の慰謝料額の相場は、おおよそ50万円から300万円程度となっております。
この相場については、モラハラの内容はもちろん、ご自身とパートナーの保有資産などによっても変動がありますので、あくまで参考としてください。
慰謝料請求のための準備は下記のような段取りになるのが一般的です。
・まずは隠密に、慰謝料請求を含めた証拠集めや離婚準備をする
・専門家の力を借りて別居する
・離婚調停を起こして慰謝料などを請求し、調停で決着しない場合は、最終的には裁判で決着させる
モラハラをする方は、ほぼ支配欲が強い方です。
ですから、あなたが反旗を翻したと分かった瞬間、あきらめるまでモラハラを続ける、場合によっては暴力を振るうとか、あなたが逃げられないように孤立させる行動を取ることもあります。
そこで、離婚を決めたときは、必ず夫もしくは妻に気づかれないように証拠集めや別居の準備等を進めていきましょう。
モラハラをする方との話し合いでの決着はまずできないと考え、調停~裁判へと進むことを想定して、証拠集め等の準備をしていきます。
また、離婚をするにあたって、新たな生活を始めるためには、仕事と新たな住居が必要です。
そのためには、取り急ぎのお金も必要になりますので、できる限り、ご自身の口座にお金を貯めておくことや、保険の名義変更等を行っていくことをお勧めします。
また、スムーズに離婚へと進めていくにあたっては、離婚に強い弁護士に依頼して、様々なアドバイスを受けながら進める方が、精神的負担が軽くなると思います。
どんな証拠だと認められやすいか、どんなタイミングで別居の行動を取ると、相手に責められずに済むか、別居期間中の婚姻費用(生活費)の請求、調停や裁判の進め方など、ご自身に最適な方法を、状況に応じて提案していただけるかと思います。
物事がうまく運び、協議離婚で完了したとしても、強制執行認諾付きの公正証書を作成することも忘れないでください。
もし、ご自身が、夫もしくは妻から、モラハラを日常的に受けているとなれば、正常な判断が徐々に難しくなっていきます。
まずは、モラハラを受けているご自身ではなく相手方に非があるということに気づき、正常な判断ができるうちに、自分の身を守るための行動を起こしてください。
そうすれば、少しでも離婚へと進められるチャンスが出てきます。
もし、ご自身が、夫もしくは妻に恫喝されて、言いなりになってしまいそうになったり、夫もしくは妻に恐怖心があることで、ご自身で証拠集めや様々な準備が難しいとお感じでしたら、まずは離婚に強い弁護士にご相談ください。
貴女の状況を鑑みて、最適なアドバイスを提示し、一刻も早い、あなたに有利な条件での離婚を実現できる可能性を拡げることを目指します。
このブログを読んで、「武澤先生に相談したい!」と思ったら、ご遠慮なくご連絡ください。離婚すると決めたら、離婚がご自身にとって有利な条件ででき、かつ離婚手続きが円滑に進められるように、的確かつ適切なアドバイスを致します。
離婚に向けて、一緒に進んでいきましょう。
私は、毎日、何らかの形で離婚に関する事柄を取り扱っております。
もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。
心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。
※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。