「教えて!明日香先生」:私が勝手にGPSを付けていたことがバレた!

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。豊中市近隣の池田市、吹田市、箕面市からもたくさんのご相談やご依頼をいただいております。     私は、離婚を中心に、様々な男女問題に関する相談を日々受けております。   この、「教えて!明日香先生」のカテゴリーでは、頂いた相談を一般化して、読者の皆様が分かりやすく、そして離婚や男女問題に悩む方向けに、知識として、広く知っていただけるように、Q&A方式にして、お届けします。   ですので、読者の方にそのまま当てはまるとは限りませんが、ご参考として読んでいただけたら幸いです。  
  1. 夫の浮気を疑って、勝手にGPSを取り付けたのですが・・・。
  明日香先生、こんにちは。   A子と申します。36歳の会社員です。2歳の娘が1人います。結婚して5年です。 本日、相談のお時間をいただいたのは、私の夫のことで相談なのですが、実は、1年ほど前から、休みの日に1人で出かける機会が多くなったので、もしかしたら浮気をしているのではないかと疑ったので、半年ほど前に、夫には内緒で、私たちのマイカーにGPSを取り付け、私のスマホに監視アプリを取り込んで、随時チェックをしていました。 取り付けている間、複数回ラブホテルに行っていることが分かり、隙を突いて、夫の携帯電話を覗き見ると、会社の同僚の女性と不倫していることを、LINEのやり取りから掴みました。 しかし、夫にLINEのことはバレていませんが、GPSを取り付けていたことがバレたことで、「俺のこと疑ってやがったのか!お前のことは絶対に許さん!」と言われ、逆に離婚と慰謝料を請求されました。 しかも、夫は、即座に弁護士に依頼し、私と直接話す気はないとの通知が来ました。 しかし、夫が浮気しているのではないかという疑念からGPSを取り付けたので、夫から一方的に離婚と慰謝料請求を突きつけられるのはおかしいと思っています。 また、このような状況になったので、私も夫に愛想を尽かし、私も離婚する方向で考えています。 そこで、明日香先生に今日相談にお伺いしました。 私が夫に内緒でGPSを取り付けたことで得た位置情報については、離婚交渉時の証拠として使えますでしょうか。 それとも、違法行為として一切認められないということになりますでしょうか。 また、現時点では、夫の弁護士から夫と直接話さずに、弁護士を通して話すようにということ以外は何も言われていないため、今後、私は夫とどのように交渉していけばいいでしょうか。 私独りで対応することが難しければ、明日香先生に依頼しようと思っています。 まずは、アドバイスをよろしくお願いいたします。  
  1. A子さん、本日はご相談にご来所頂き、ありがとうございます。
A子さんの不安なお気持ちからGPSを取り付けるに至ったこと、よく分かります。 ただ、ご主人が、本当に浮気をしていなかったら、ご主人にとっても気分がいいものではありませんでしょうし、もしかしたら、現在と同じ、もしくはそれ以上に激怒しているかもしれませんので、夫婦仲に亀裂が入る可能性は十分にある行動ですので、まずはご夫婦で話し合っても良かったのかもしれませんね。 でも、この行動によって、ご主人の浮気が判明し、A子さんが離婚することを考えるきっかけになったので、ご質問の回答は、それに基づいたもので進めますね。   まず、GPSの件ですが、ご主人に内緒でGPSを長期間取り付け、A子さんがアプリで監視していたことは、ご主人のプライバシー侵害になる可能性はあるので、その点をご主人の弁護士は攻めてくる可能性はあります。 しかし、A子さんが離婚すると決心したときに、ご主人の浮気の証拠として、取得したGPS位置情報を提出すること自体は問題ないですし、証拠能力もあると考えます。 ただ、裁判所が不倫を認定するか否かは、他の証拠を含めての総合的な判断となります。   また、今後の交渉についてですが、現時点では弁護士を通して話すこと以外は何も要求が無いとのことですし、A子さんは、離婚する方向でお考えとことですから、ここはあえて積極的に動かず、ご主人の弁護士がどのようなことを要求してくるのかを確認して、そこからご自身のお気持ちを照らし合わせて、弁護士に回答すればいいと思います。 ご主人の主張する事実や要求について、間違っている部分や相場よりも高額な請求に対しては争う姿勢を明確にし、最悪裁判にまでもつれ込むことになったときには、裁判でA子さんがご主人の主張や要求が過大であることを明確にし、それに応じた証拠を適切に提出等することで、A子さんにとって適切な判決が出ることになります。ただ、離婚は、裁判まで揉めることがないように、まずはご主人の弁護士とよく話し合ってみるのが良いと思います。弁護士という第三者が入ることで、協議がスムーズに進むこともありますが、逆に過大な要求をしてきたり、話し合いに応じないような態度を取るようなら、A子さんも弁護士に依頼することを考える方がいいと思います。   今日の私のアドバイスを踏まえて、A子さんが私に依頼したいとお考えでしたら、今お持ちの資料をすべて見せていただいて、改めて打ち合わせさせていただけたらと思います。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。   ※この記事は、公開日時点の法律をもとに執筆しています。   ※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。   ※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。