こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。
タイトルの件で解説します。
近年、DVで苦しむパートナーからの相談が増えています。
DVには、身体的なものはもちろん、精神的なもの等も含まれます。
身体的DVの場合、場合によっては殺人事件にまで発展することもありますので、もし、生命身体に危害が及ぶようなDV被害を受けているのであれば、今すぐその場から逃げ出すべきです。
また、DVによる被害を訴える人は、夫側であることもありますが、全般的に腕力や経済力の弱い妻側であることが多いことから、妻が夫からのDVを避けるためには、様々なサポートが必要になります。
そこで、DV夫の傾向やDVを理由に離婚をする方法をこのブログでご紹介いたします。
夫からのDVに悩んでいる方は、ぜひこのブログを読んでください。
DV夫には、以下のような傾向が見られます。
当事務所に相談で来られた方も、このような傾向を持つ方が多いように見受けられ、複合的な場合もあるようです。ご参考ください。
・裏表がある
・外面が良い
・急に優しくなる
・暴力を振るった後で、急に大人しくなり、謝罪する
・「お前がいないと俺は死ぬ」「お前がいないと生きていけない」「お前と離婚するくらいなら、俺は自殺する(または、お前も道連れにする)」など、妻を脅すかのような依存心からくる発言をする
配偶者からのDVを受けた場合、一度許しても生来の性格は変わらず、どんどんエスカレートしていくおそれがありますので、ご自身の生命身体の安全や精神の安定を考えると、離婚することを考えるべきでしょう。
夫からのDVが、「婚姻関係を継続し難い重大な事由」に当てはまると、法律上離婚ができることになります。
なお、DVに当てはまるものとしては、下記のようなものがあります。これらに当てはまるか、一度ご自身の体験から照らし合わせてみてください。
・身体的暴力:殴る蹴るなどの肉体への直接的な暴力
(例)
・殴る蹴るの暴行が日常的である
・喧嘩の最中に首を絞めてくる
・思い切り突き飛ばされたり、髪の毛を引っ張られ引きずられる
・精神的暴力:妻が話しかけても無視、夫が罵声を浴びせる、暴言を吐くなどで、精神的に追い詰める暴力。
(例)
・大声で怒鳴る
・脅してくる
・相手を見下したり、馬鹿にする発言をする:「お前は俺なしじゃ野垂れ死ぬ」
・社会的暴力:夫が妻の交友関係や電話、メールなど他人への連絡事項をチェックしたり、妻の実家の行き来や友達付き合いに干渉し制限をかけるなど、人間として行うべき社会的な行動などを強力に制限する暴力。
(例)
・夫の許可がない限り、買い物にも行けない
・夫から頻繁に電話してきて、出ないと浮気を疑うなどで責めてくる
・実家の帰省を許してくれない、親族の葬式に出席できない
・経済的暴力:妻に生活費を渡さない、妻の預貯金を断りなく下ろす等、お金に関する暴力。
・性的暴力:嫌がる妻に性行為を強要したり、避妊をしないなど、夫の性欲を満たすためだ
けに性行為を行う性暴力。
また、DVの程度や回数により、離婚理由の認定に差が見られます。
例えば、暴力を振るうと、数時間は手が付けられないとか、ボコボコに殴って、青タンができるレベルのものが、週に複数回発生すると、離婚理由となる可能性が非常に高いです。
ですので、万一、このような暴力を夫から受けて、ケガをした場合は、病院にかかって、診断書の発行や傷を写真に残しておきましょう。また、タイミングを見て、夫の言動を録音・録画できるようであれば、しておきましょう。それが難しければ、ケガ、暴力、罵声等の状況をその都度メモしておくことをしましょう。
今後の離婚手続きの証拠として活用できるようにし、離婚ができる可能性を少しでも高めていく必要があります。
離婚をするときには、同時に慰謝料を請求することが多々ありますが、DVを理由とした慰謝料請求は可能なのでしょうか。
結論から言いますと、DVを理由とした離婚と同時に、慰謝料請求も可能です。
離婚に伴う慰謝料の目的は、相手が離婚の原因を作ったことに対するものと、離婚ということ自体に対するものがあります。
DVを理由とした離婚の場合は、夫が行う妻への身体的暴力などのDVという行動自体が違法行為で、DVを働く夫が夫婦間の結婚生活を壊した原因を作ったと主張して、慰謝料を請求することが可能です。
なお、慰謝料については、先ほど出ました、程度、頻度、DVを受け続けた期間等に応じて金額が決まりますが、認容される金額はケースにより異なります。
DVを受けていると、「もう逃げられない」「逃げたとしても、生活が苦しくなる」「暴力を振るった後は、とても優しくなるし、涙を流して謝ってくれるから、もうしてこないよね」「私が悪いのだから、私が我慢すればなんとかなる」と思うことが多々あると思いますが、逃げるところはありますし、DVがなくなることはありませんので、まずは身の安全を確保して、落ち着いて物事が考えられる状況を作りましょう。
具体的には、DVシェルターに入って居場所を隠し、DV防止法を根拠とした保護命令を申し立てて、裁判所から夫に対して、妻への接近禁止命令を出してもらう方法があります。そして、弁護士を代理人として離婚調停を申立てると、相手と顔を合わさず一切接触しないまま、離婚をすることが可能となります。
また、お子さんがいるご家庭の場合は、お子さんの親権や監護権について心配する方もいらっしゃるかと思います。どちらの親元に置く方が、お子さんが幸せで成長に利するかが、親権や監護権の獲得基準となりますので、経済力も一要素となりますが、お子さんの監護や教育にとってどちらの親元で育つ方が、よりお子さんの利益に資するかという点も判断要素となります。
専業主婦等で現時点で経済力がない場合であっても、お子さんとの関係が良好で、別居に至るまでずっとお子さんの面倒を中心的に見ており、今後もお子さんとの良好な関係を継続でき、お子さんが健全に成長していけると裁判所が判断すれば、親権、監護権が認められる可能性も十分にあります。
DV夫と離婚するための流れは、おおむね下記の通りになります。ご参考ください。
・生命身体の安全を確保することを優先するため、別居する
・話し合いはまずできないと考えて、離婚調停を申し立てる
・調停で話し合いがまとまらないケースがあるため、その場合は離婚訴訟を提起する。この時にDVの証拠があると離婚が認められやすくなります。
以上のように、夫からのDVを受けている場合、そのまま我慢して放っておくとエスカレートして被害が大きくなるおそれがあります。このようなケースでは、ご本人が相手に離婚や慰謝料を請求してもうまくいかないことが多いので、まずは周囲に相談をすべきです。
DVによる離婚相談は、近年非常に増えており、幸い、私の相談実績では、生命身体に関わるような切羽詰まったものはまだありませんが、ケースとしては、生命危機に直面するようなものもあります。
基本的に、DVはなくなることがなく、どんどん過激になることで、被害も比例して大きくなります。また、妻本人だけでDV夫と対峙することは、交渉がうまくいかないことだけでなく、それが原因で、さらなる身体的、生命的危機に瀕する可能性があります。
そこで、実家、警察、自治体、弁護士など周囲に相談し、さまざまな支援を受けて、離婚へと進めていくのが一番の近道と考えます。
このブログを読んで、「武澤先生に相談したい!」と思ったら、ご遠慮なくご連絡ください。離婚話を円滑に進めるために、的確かつ適切なアドバイスを致します。
離婚に向けて、一緒に進んでいきましょう。
私は、毎日、何らかの形で離婚に関する事柄を取り扱っております。
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※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
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※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。