「教えて!明日香先生」:離婚話がまとまったと思ったら、夫が弁護士を立てた!

コラム
こんにちは。大阪府豊中市の離婚が得意な弁護士の武澤です。   私は、離婚を中心に、様々な男女問題に関する相談を日々受けております。   この、「教えて!明日香先生」のカテゴリーでは、頂いた相談を一般化して、読者の皆様が分かりやすく、そして離婚や男女問題に悩む方向けに、知識として、広く知っていただけるように、Q&A方式にして、お届けします。   ですので、読者の方にそのまま当てはまるとは限りませんが、ご参考として読んでいただけたら幸いです。   Q.お互い弁護士なしで離婚協議を進めていたのに、突然弁護士を立てられた!   明日香先生、こんにちは。   Q子です。45歳で、48歳のサラリーマン夫と18歳、15歳の息子と4人暮らしです。結婚21年目です。 実は、3か月ほど前から夫婦で離婚話を進めており、ある程度まとまったため、離婚協議書を念のため作ろうと夫婦で話をしておりました。 しかし、3日ほど前から夫が帰ってこなくなり、会社に電話しても出社して、定時には職場を離れているそうなので、まさか不倫相手の家にでも行ってるのか?と不安になったら、昨日、弁護士名で封書が届きました。 夫の代理人として依頼を受けたとのことで、夫は弁護士に依頼して、この離婚話を再スタートさせる形で進めることとし、家に帰りづらくなって、実家等にいるのではと推測しております。なお、連絡はできない状態です。 その弁護士が書いた書類を確認したところ、ほぼ全てが嘘や誇張となっており、せっかく話がまとまりかけたのに、これまでの条件も一切白紙に戻すとのことです。 また、いきなり調停にするとのことと、私からの悪意の遺棄である旨の記述がありました。 本当に理解ができず、パニックになっています。   そこで、明日香先生にお伺いしたいことがあります。   ・夫の弁護士から、悪意の遺棄であることを主張していますが、これに関しては嘘や誇張です。財産分与に関しても悪意の遺棄による離婚だから、一切応じないとのことです。 なぜ、あんなに強気かつ平然と嘘や誇張を主張してくるのでしょうか。   ・こちらは財産分与に関する証拠書類(通帳、不動産権利証等)がありますが、それはあなたが勝手におっしゃっているものであり、証拠として認めませんと言ってきています。 もちろん、本人の通帳等をコピーしたものなので、間違いないのですが、それに対して反論ができません。どうしたらこれが正当なものであると主張できますでしょうか。   先生のアドバイス次第では、依頼しようと思いますので、よろしくお願いします。  
  1. Q子さん、本日はご相談にご来所頂き、ありがとうございます。
離婚話がまとまりかけた時点でのちゃぶ台返し、Q子さんの心労はいかばかりかと思います。 頭が混乱していると思いますので、まずは現状を整理して、どう対策すべきかを考えながらアドバイスいたします。 私がお話を伺うことで、少しでも不安を解消していただけたらと思います。   一つ目の質問についてですが、Q子さんがご飯を一切作らないとか、夫の洗濯物だけやらないとかをしていないのであれば、もちろん悪意の遺棄には該当しません。 恐らく、Q子さんに弁護士がついていないことで、ご主人側についている弁護士は、Q子さんは裁判所での手続を知らず、調停を申し立てる、裁判所で話し合うということで一種の圧力をかけているのかもしれません。 調停では事実の有無を判断する場ではないので証拠による立証までは不要ですが、場合によっては証拠で反論が必要な場面もあるでしょうから、悪意の遺棄に当たるようなことはしていませんよという証拠集めをしておきましょう。   二つ目の質問についてですが、これも一つ目の質問につながってくるところではありますが、仮に調停が不成立になり裁判になったとしても自力で来るから、証拠の用意は全くできないであろうと想定して、このような書類を送ってきているのかもしれません。相手は、自分に都合の良いことしか弁護士に話さないでしょうしね。 確かに、調停や裁判を進めるためには、法的知識、裁判所独特の手続きの流れ、考え方を踏まえたうえで、適切な対応をしていく必要があります。 そのため、弁護士をつけていないQ子さんにはそんなことできるわけないとご主人側の弁護士は考え、不安にさせる作戦とも思えます。 調停が始まり、Q子さんの主張を通していくには、弁護士に依頼して、双方弁護士を立てての対応が必要になってくることも考えられますし、調停が不成立になり裁判まで行かないためにも、調停での対応は重要になってきます。 もちろん、私がQ子さんの代理人としてこの離婚話を進めていくことは可能ですので、ご検討くださいね。 また、今日以降で困ったことがあったり、進展がありましたら、都度ご相談ください。   Q子さんが、明るい未来で生活できるように、サポートいたします。   もし、離婚のことでお困りのことがありましたら、まずは下記よりお電話、メールを下さい。   心配事を少しでも軽くできるように、お話をお伺いします。   ※この記事は、公開日時点の法律をもとに執筆しています。   ※この記事は、読んでいただいている皆様にとって分かりやすい言葉を使って、記載しております。   ※本記事を利用して、ご自身で対処する場合は、自己責任で行ってください。